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Zimbabwe.NET 青年海外協力隊体験記
from アフリカ ジンバブエ
 ■ 農法紹介 (Introduction to JOCV's Agriculture)

 このページでは、ジンバブエで活躍する農業関係の協力隊員が企画・工夫・実践している農法や作物を紹介します。ジンバブエは雇用人口のうち、約2/3が農業関係の職に従事しているといわれていています。かつてジンバブエは「アフリカの穀倉庫」と形容されていたほど、農業に対しては非常に高い能力を持っていた国(あくまで過去形)です。ここで紹介する農法が将来ジンバブエの農業生産の一翼を担うものに発展する可能性も十分にあると思います。また、これらの農法や作物はアフリカの他の国でも応用可能であると思います。農業は一次産業なので経済成長の成果が早く現れやすいので、農業隊員に限らず他職種の方々も、ここで紹介されている農法や作物を参考に各地で展開してくれたら良いと思います。

きのこ栽培(オイスターマッシュルーム)ネリカ米栽培ジャトロファ栽培モリンガ栽培ハーブ栽培混植栽培コンポスト(堆肥)作りウサギの飼育による、有機農法


 ■ きのこ栽培(オイスターマッシュルーム)
 ■ 準 備

 用意するもの
  • 温度や湿度、明るさが調節できる部屋(無菌状態になるよう漂白剤などを使い殺菌しておくこと)
  • きのこ菌(研究所などで販売していますが、隊員で培養に成功した人もいます)
  • 袋(玉ネギネット、パンの袋など、袋の直径が30cm以下が条件)
  • 小麦のわら
  • その他(吊るし棒、ひも、ホース、温湿計、暗幕など)

 ■ 栽培方法

  1. わらをゆでて殺菌しているところ小麦のわらや袋を無菌にするため、70度以上のお湯で1時間以上ゆでる。ここで隠し味としてアルカリ性(チョークなど)のものを加えて一緒にゆでると、きのこの成長が促進できるそうだ
  2. 雑菌がない清潔な場所で、袋にわらときのこ菌を入れる。わらの層を5cm入れたらきのこ菌を入れその上にまたわらの層5cmを入れていく
  3. 袋を絞める。袋の内部をほど良い空気と水分に保つため、わらを整えたり、袋に空気穴を空けてあげる。この時、袋の直径が30cmを超えないようにする
  4. この袋を、湿度80%以上で温度5度以上の暗室に2週間吊るしておく
  5. 2週間後、暗幕を取り除き光を入れる。3日後くらいにきのこが生えてくる。きのこは1ヶ月間くらい生え続ける。環境が最適だと3ヶ月間はきのこを同じ袋から収穫できる

※ 栽培のポイントは、温度管理湿度管理である。部屋の床に小さなプールを作り、水面の表面積を広くして湿度を高めたり、水を浸した布を垂らしておくなど、きのこはとにかくジメジメ・ムシムシ環境が大好きなのである。また、寒さにきのこは弱いので冬などはストーブやお湯散布などで温度管理をしなければならない。


 ■ オイスターマッシュルームの需要

 ジンバブエ協力隊員初の試み、きのこ栽培と菌培養が彼の配属先のきのこ部屋で成功しました。彼は近くのスーパーに学校を通してきのこを売っていました。価格は他の野菜よりも高いのですが、外国人やお金を持ったジンバブエ人がこぞって買っていたので需要という意味では十分な市場があるようです。
 きのこ栽培はキーポイントさえ押さえられたら、比較的短期間かつ低投資でリターンが期待できる非常に可能性を秘めたビジネスではないかと思います。


きのこの栽培風景

床にプールを作ったり、濡れタオルを吊るしたりと湿度管理がキーポイントです


きのこが生えてきた


環境が良いと、きのこ菌がどんどん繁殖して、きのこが「にょきにょき」と生えてきます


きのこ菌の培養に成功




きのこ菌の培養に成功しましたので、種菌を購入する必要がなくなりました




 ■ ネリカ米栽培
 ■ ネリカ米とは

 ネリカ米とは西アフリカで開発された新種のコメです。乾燥や病害虫に強い西アフリカ種(オリザグラベリマ)のコメと収穫の多いアジア種(オリバサティバ)のコメを掛け合わせることで作られた陸稲です。ネリカとは"New Rice for Africa"(アフリカの新種米)の略でコートジボワールに本部を置く「西アフリカ稲開発協会」が1994年に開発したお米です。アフリカでのコメ開発は90年代初頭から始まり、当時は技術面での壁にぶつかるなど困難な時期もありましたが、日本を含む先進国からの資金・技術力の援助などにより開発され、「アフリカの農業改革」「奇跡のコメ」と呼ばれるほど優れた特徴を数多くもち、国連ではアフリカでの「貧困対策と食糧安全保障の切り札に」と大きな期待が寄せられています。


 ■ ネリカ米の特徴

  • アジア種の1本の稲穂からとれるコメが200粒であるのに比べ、ネリカ米は肥料無しでも300粒、肥料があれば300粒を大きく上回る収穫量が期待できる
  • 在来の西アフリカ種より1ヶ月以上も早く収穫を終えられる
  • 年間降雨量が500〜600ミリしかないサバンナ地域でも栽培が可能で乾燥に強い
  • 病害虫や雑草に強いため、草取りの労力が従来の1/3〜1/4ですむ
  • たんぱくが在来種の6〜8%に対し、ネリカ米は9〜10%と高たんぱくである

農業機械隊員、只今ネリカ米の栽培に挑戦中!




ジンバブエにもネリカ米を普及させるぞー!
率先してネリカ米の栽培に挑戦中!




 ■ ジャトロファ栽培
 ■ ジャトロファとは

 熱帯アメリカ原産のトウダイグサ科の落葉低木で、アフリカ・インド・南アフリカなど、比較的に高温乾燥の地域に自生している植物です。木の高さは5メートル前後で、果実は3〜4.5cmになります。
 種子に約50%の油を含み、種子から取れる油で石けんや植物油、有機肥料 (絞りかす)さらにはバイオディーゼル燃料(BDF)を作ることができます。これらの製品は、女性の収入源向上などを期待することができます。


 ■ ジャトロファの特徴

  • 降雨量400mm以下でも生き延び、干ばつや害虫に強く、やせた土壌でも栽培が容易
  • 搾油効率が高く、上質のバイオディーゼル燃料(BDF)が精製でき、油採取後の混濁成分からは良質なせっけんを得ることができる
  • ジャトロファから出来たバイオディーゼルは、環境負荷が低く、軽油代替燃料としての可能性を秘めている
  • 生きた垣根としても利用され、ジャトロファ植林による 砂漠緑化、土壌の維持・回復としての機能も期待されている

※ ジンバブエ政府もジャトロファ栽培に最近注目し、大規模な植林を東北部に行いプロジェクトを進行しています。

※ ハラレポリテクはジンバブエで一番早く、ジャトロファの製品化に成功した機関です。現在、そのプロジェクトチームは学校から独立して会社を興し、社会貢献しています。


ジャトロファ
↑ジャトロファの実


ジャトロファ
↑ジャトロファ搾り機


ジャトロファ
↑想像以上に油が搾られ
出てきます。この他、ジャトロファチップも
作られます




ハラレポリテクの展示ブース
↑ハラレポリテクの展示ブース
(ZITFにて)
写真の左から順に、ジャトロファ種子、ジャトロファチップ、ジャトロファオイル、グリセリン、ディーゼルです


ジャトロファのオイルで走る車!







配属先であるハラレポリテクニックでは
現在、1台のピックアップトラックがジェトロファ燃料で走っています。




 ■ モリンガ栽培
 ■ モリンガとは

 北インド原産で熱帯地域に自生するワサビノキ科に属する樹木です。種を蒔いてわずかわずか1年で樹高が5〜10mにも達するほど成長が早く、寿命は約15〜40年あります。また、干ばつ地に強いのが特長です。気温が低いと枯れてしまいますので日本では沖縄を除いて冬を越すことが出来ません。現在ではアフリカから東南アジアで広く見ることが出来ます。しかし、管理された植樹はほとんどされていません。
 モリンガは葉、花、鞘、種すべてに利用価値があることが古くから知られていて、ビタミン群も豊富に含んでいます。古代ローマ、ギリシャ、エジプト文明においては、モリンガのオイルが香水と肌の保護のために欠かすことのできないものとして珍重されてきました。1980年代半ばから欧米諸国で活用のための研究が進められ、この木の持っている特色のうち主に栄養補助食品としてアフリカの子供たちの栄養失調対策としての国際貢献活動が進められています。近年、緑化の推進、有機農業のための肥料、自然食としての家畜の飼料にも活用されてきています。


 ■ モリンガの特徴

  • 成長が非常に早く、干ばつに強い
  • 他の樹木や野菜類と比較して、花・種子・葉・幹・根幹と各部所で栄養価が非常に多く含まれている(モリンガの葉には、ビタミンCがオレンジの7倍、カルシウムがミルクの4倍、たんぱく質がミルクの2倍など)
  • 実には油が沢山含まれており食用油として使える。また、しぼりかすからは石けんが作られる

モリンガ

モリンガ


野菜隊員が商品化したモリンガ商品




野菜隊員が商品化した、モリンガソープ、モリンガ茶など




 ■ ハーブ栽培
 ■ ハーブとは

 ハーブ (herb) は、元来ラテン語で草本性の植物、つまり草を意味し、一般にハーブという場合、特にヨーロッパで薬用の薬草やスパイス等として有用な草全般を指します。ハーブはまた、食材としての味付け、香り付け、お茶(ハーブティ)としても使われたりします。 香りを利用する方法としてはポプリや精油等としての利用があります。香りの持つ薬効も知られており、現在ではアロマテラピーの中で利用されています。さらに、ハーブは抗酸化性が強く、免疫力を高めることが分かっています。


 ■ ハーブの種類

  • 木本類
    • 常緑樹-ラベンダー・ゲッケイジュなど
    • 落葉樹-バラなど
  • 草本類
    • 1、2年草-ナスタチューム・ヒマクリ
    • 多年草-ミント
    • 球根類-サフラン




 ■ 混植栽培

 互いに良い影響を与えあう植物同士をコンパニオンプランツと言います。それらを組合わせて植物を栽培することを「混植」といいます。混植をすると、栄養の競合・根圏の競合・光の競合などが生じにくい特徴があります。
 高栄養を好む植物には、栄養を作り出す植物(例えば、ムギとクローバー)を組合わせると良いでしょう。浅根の植物には、深根の植物(例えば、葉ネギとホウレンソウ)を組合わせると良いでしょう。好光性の植物には、耐陰性の植物(例えば、トウモロコシとエダマメ)を組合わせると良いでしょう。この様に、対極になる植物関係がコンパニオンプランツとなります。また例えば、玉ネギ(害虫があの匂いを嫌いなため)と人参などのように害虫対策にも混植は生かされます。


混植




混植されています
右からネギ、セロリ、キャベツです




 ■ コンポスト(堆肥)作り

 ジンバブエの田舎に行くと、人々は自然と共生しながら自給自足をして小農を営んでいます。しかし農業隊員いわく、農業の効率でいうとあまり考えられて作物を栽培していないのが見て取れるそうです。彼らにアドバイスする、お金を掛けない効率的な農法紹介といったら、このコンポスト(堆肥)作りが一番に挙がるそうです。ちょっとした工夫で生産性が増えることは、協力隊活動のセオリではないでしょうか。


 ■ コンポスト(堆肥)とは

 コンポストとは、堆肥のことです。土の中の微生物の働きによって、有機物が好気性の発酵、分解をして肥料効果を発現した有機堆肥となります。この有機堆肥には、植物(農作物)の発育にとって大変重要な要素である窒素やリン酸、カリが多く含まれています。微生物がよく働けられる条件として、湿度と温度、空気の流通が適度な状態というものがあります。
 有機堆肥を作るためには、家畜のフンと野菜くずなどの有機物、加えて空気の流通を良くする(水分調節材)植物質資材の使用を組合わせ、後は微生物がよく働けられる状態にしてあげることが大切です。家畜のフンや野菜くずの種類の組合わせの違いで出来上がる堆肥の成分が大きく異なってくるそうです。


 ■ 協力隊員が実際デモンストレーションした有機堆肥の作り方

  1. デモ用と利便性の見地から、地上にコンポスト設置を考えレンガでコの字型に枠(壁)を製作
  2. 野菜くずなどを一箇所に集めた
  3. 空気の流通材としてトウモロコシの芯(コブ)を集めた。トウモロコシはジンバブエで主食なので容易に収集できる
  4. 牛や羊のフンとそれらを混ぜて2ヶ月ほど放置する
  5. 有機堆肥の出来上がり


↑森の香りがする堆肥が
出来上がりました。大満足です!!




カレッジでデモンストレーションしたコンポストです。周囲の評判はかなり良かったです




 ■ ウサギ(家畜)の飼育による、有機農法
 ■ Mixed Farming System(野菜と家畜の混合農法)

 野菜栽培と家畜飼育を組合わせて、家畜(ウサギやニワトリなど)からのフンを堆肥にして、野菜栽培を行う農法です。東南アジアでは伝統的な農法であり、有機農法の見地からは非常に効率的な農法です。

 ある一定期間、家畜を囲いの中で飼育し糞尿を土壌に浸透させます。その後、家畜を他の場所に移動さます。それから、家畜の糞尿が浸透した土壌を、耕作し作物を作付けします。家畜の糞尿が堆肥となり作物がすくすく育ちます。





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